比較しながら理解を深める原子力発電所

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電力を生み出す発電には、化石燃料を燃やす石炭や石油とガスに、自然のエネルギーを活用する水力や地熱と太陽光、風力や潮汐などがあります。
また、廃棄物などを利用するバイオマスも研究が進み、既に日本を含めた複数の国で運用され始めています。
原子力は実用化されてから半世紀以上が経過している発電方法で、核反応による高効率な発電で知られます。

原子力発電所の頼もしさ

日本にある原子力発電所の数は約40

日本にある原子力発電所の数は約40で、日本の家庭や工場といった場所で使われる電気が賄われています。
老朽化していたり、点検などを理由に稼働を停止している発電所もあるので、全てが常時稼働しているわけではないです。
しかし、日本列島のほぼ全域に分布していたり、停止していても再開を待つ発電所が多いことから、日本において原子力は重要な位置づけの発電方法だと分かります。
熱で蒸気を発生させてタービンを回すのは、火力発電に共通する原子力発電所の特徴の1つです。
水力発電や風力発電も、回転エネルギーを得てそこから電力を生み出していますから、突き詰めればどの方法も似ています。
太陽光発電は光を直接電力に変えているので、他の発電方法と比べて少し異質です。
ただ、振動を電気エネルギーにする方法もありますから、太陽光発電だけが特別とはいえないです。

 

原子力発電所は高度な設備を有する専門的な施設が不可欠

特別というなら、あらゆる物質に共通して存在する原子を使い、その反応で電力を生み出す原子力発電の方が遥かに特別でしょう。
原子力発電所は高度な設備を有する専門的な施設が不可欠で、運用には技術を惜しまずに投入することが必要です。
膨大なエネルギーを生み出す原子力使用するわけですから、一歩間違えれば地域だけでなく社会全体に影響する問題が発生します。
発電所の内部は、核反応を示す燃料棒を制御棒でコントロールして発電する仕組みになっています。
核反応で生じる熱量は大きく冷却に膨大な水が必要なので、必然的に海などの近くを選び設置することになります。
例えば、水力発電だと水の流れが欠かせませんから、川の近くに設置するという意味で似ています。
万が一コントロールが人の手から離れてしまい、核反応が加速して温度上昇が止まらなくなっても、大量の水がある場所なら被害拡大を防げる可能性があります。

 

住民たちから反対の声が上がる理由

そういう意味でも海の近くが選ばれますが、当然ながら住民たちからは反対の声が上がるわけです。
主な理由として考えられるのはやはり、人体や自然に影響を及ぼす放射線が発生したり、外部に漏れ出る恐れが懸念されることでしょう。
放射線自体は実は身の回りにありふれていて、大気中や食品などからも検出されます。
コンクリートは分厚くて放射線を遮断しますが、コンクリートに含まれる成分自体が放射線を発することもあります。
つまり放射線は特殊な存在ではなく、目に見えていないだけで身体の周りを飛び交っています。

 

何故、普通に生活していて健康被害を受けないのか?

何故、普通に生活していて健康被害を受けないのかといえば、それは放射性物質の違いや放射線の量が理由です。
放射線にはアルファにベータやガンマとエックス線があって、エックス線はレントゲンで有名です。
アルファ線は物質を通り抜ける力が弱く、紙のような薄い素材で防ぐことができます。
ベータ線はアルファ線よりも強力ですが、それでも薄い金属板を通るのは不可能です。
人体に問題となるのは貫通力の高いガンマ線やエックス線で、体内を見るレントゲンに使用されていることからも特殊な放射線だと理解できます。
原子力発電所内では、この強力な放射線が大量に放出されますから、分厚い壁で覆って漏れるのを防いでいます。
放射線を出す放射性物質は、空気や水に乗って移動するので、発電所では排出前に強力なフィルタで除去が行われます。
設備に老朽化が起こると、穴が開いて底から漏れ出したりしますから、点検の頻度は高く隅々まで徹底的です。

 

株式会社アトックスの安全への見解

人が立ち入れない場所は機械を使い、それ以外の場所は人の目で細かくチェックされます。
もし基準値を超える漏れが生じると、稼働を停止して更に点検をしたり再稼働を待つ必要が出てきますから、停止を防ぐ為に厳しい運用が行われるのが普通です。
原子力発電所での安全の軽視や作業の手抜きは、自身や周りの人の被害に直結しかねないので、作業内容や手順は詳細なマニュアルに基づき、確認は二重三重と重ねられます。
そうして原子力発電所の外も、内部も安全が守られていますから、滅多なことでは事故は起きないです。
原子力で発電するには燃料が必要ですが、この燃料は放射性物質で使用後はごみとなります。
問題はごみの状態でも放射能が残り、長期的に放射線を発生し続けることにあります。
その期間は放射性物質とその状態によりますが、冷却するだけで少なくとも50年や100年といった長い年月が掛かります。

 

まとめ

発電所の安全対策よりも、原子力では発電後に生じる廃棄物の方が当面の課題で、短期間で安全に処分できる技術の確立が待たれます。
ごみが出ないという意味では太陽光などの自然エネルギーに軍配が上がりますが、原子力は少量の燃料で膨大な電力が生み出しますから、そこが悩ましいところでもあります。

 

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最終更新日 2025年7月2日 by chaco2